冷蔵庫の息の音と

洗濯物を干した日に限って雨だったりして、雨ざらしになったまま何日か放置して天日干しみたいな、アホな生活をしている水野谷です。

部屋にひとりでいるのがとびきり好きになったここ一年、というか部屋にひとりでいるのが好きにならざるを得なかったと言う方が正しいのかもしれない。もちろん来客もウエルカムだけどね。来客が来るのはとても好き。いつも準備はあまりできてないけど。
今年はデロンギのオイルヒーターを買った。電気代がばかになると言われていたけれど、真冬に部屋の中で作業できなくて悲しい思いをする方が嫌だったから。今年は部屋の中で作業を捗らせたいの。

そんな近頃部屋が好きでしょうがない水野谷みきが今回企画する、11月25日(日)に新宿カールモールにておこなうイベント「冷蔵庫の息の音と」、素敵な出演者をお招きしているし、出演順とかいろんな細かいところまでこだわっているので是非みに来てください。
ご予約の特典は、各出演者の方が書き下ろした部屋にまつわる音源です。
書き下ろし曲、届いてるやつを聴いたけど初めて聴いたのが私という贅沢さがやばすぎるしとても素敵でした。語彙力。特別すぎるからぜひゲットしてほしい。私も書くよ。

今回は出演するアーティストを、私が撮り溜めた写真と一緒にご紹介したいと思います。
高校時代写真部(部員1人だったため部長)だった私が、高校時代に撮った写真と最近撮り溜めた写真の中からアーティストのイメージにぴったりなものを選びました。これで少しでも私が考える各アーティストの魅力を伝えられたらなと思います。情報は視覚が80%ってよく言うので。



ぎがもえか(18:30〜)


ぎがもえかさんはまるでのんびりあやとりをしてる少女みたいにギターを操るし、人形遊びをするかのようにうたを歌う。
くるみちゃんというシンガーソングライターの企画にお呼ばれしたときに共演して、見たのはそのときが初めてなんだけど一目惚れしてしまい、ギターのせいじくんとまた一緒にやりたい!って楽屋でざわざわしてました。後日、CDを家聴いていたら、そのときのメンタルのコンディションがマッチしたのか、ぼろぼろ泣いてしまって。そのときこの企画をやろうって、部屋で思った。

ジブリの雰囲気に似ている(この言葉だけを鵜呑みにしてほしくないくらいには「似ている」という言葉が遠めなので注意)どこか現実味を帯びていて、明るさももちろんあるんだけど沼底の悲しみを知ってるような明るさで、だから曲から醸し出る安心感には母性があるんだけど、選ぶ言葉とか声の質感の一部とかは小さな少女みたい。ちなみに声の質感のまた別の一部は、大正か昭和の十代で歌を歌い始めた歌手が垣間見える気がします。
私個人的にはぎがもえかさんの曲を聴いて、晴れた休みの日の昼間の部屋の中、みたいなものを想像してお呼びしました。というのもあって、企画の一番初めは明るい昼間の陽射しから始めたいと思って、トップバッターにお願いしました。企画、絶対的にいいスタートになると思ってる。

選んだ写真。気温は別として、陽射しがあたたかい昼間の川が似合う。あと、部屋から遠いところを見てる。

(2010年の3月ぐらい、たぶん千葉の海の近く)

(2018年、鶴見川にて)



大河内大祐(19:15〜)


計算された狂い方とキャッチーさがクセになる音楽を作るのが大河内大祐さん。アー写からはマジやばい感みたいなのが出てるけど、曲をいくつか聴くと納得すると思います。

ある日出演したライブで共演したお客さんとして大河内さんが見に来てくださっていて、後日大河内さんの企画にお呼ばれしました。今だから懺悔するけど、企画当日まで主催である大河内さんの曲を正直聴いたことがなかったため、当日の彼の出番までは「スキンヘッドだし眉毛ないし絶対にステージでギターをぶっ壊す音楽をやるし奇声も絶対に発するからヤバイだろう」と思っていました(もう一度言うけど今だから懺悔)(そんな想像をしてるのによくオーケーしたな)。でも聴いてみたら全然そんなことなくてむしろギターは大切な表現の道具で、人の心の奥底の闇に優しく寄り添ってくるし、ドロドロとした人間の悪いものをそのまま身体で演じるような表現力と、何故か不思議と聴きやすく耳に入るキャッチーなメロディで圧倒されてしまって、そこから虜になりました。

大河内さんのライブは見世物小屋に似ている。行ったことないけど。醜いものを笑い者にして見ることもできれば、目を背けたくなるけど見せつけられてるような気持ちにもなったりする。これ、たぶん文章で伝えるのは難しいんだろうなあ。絶対にライブで見てほしい人です。音楽とか表現とかの概念が少し変わるし、ジェットコースター乗り終わったときみたいな爽快感と高揚感を感じられると思います。

大河内さんの写真を選ぶのは難しかったけど、うたに出てくる人が見てる風景はこれかなと思って選びました。


(2018年、神奈川県の駐輪場)

(2011年3月だと思う、都内の餃子屋)



3番目 ハネダアカリ(20:00〜)

少し小柄なハネダさんだけど、小さな身体のどっからこんな声出るんだってぐらい迫力がある歌声で、たぶんハネダさんの出番開始10分くらいはドリンクに手を伸ばせないんではないかと思っています。いやもちろんいい意味で!少なくとも初めてハネダさんを聴いた私はそんな感じだった。

シンガーソングライターの女の子がたくさん出演してるよっておすすめされたライブハウスで出演してみようって思って、出演者全員、歌詞に愛してると会いたいしかなかったらどうしようってクソ最低な想像をして挑んだその箱の初ライブで出会ったのが、その日最後に歌ったハネダさんでした。
ハネダさんの歌声の迫力と、秘密めいた詩は私にはないところで、ステージにはいつも不思議な絵が描かれてる感じに見える。宇宙みたいに奥行きがある絵なんだけど、風景は宇宙みたいに遠くなくて、身近な風景。長く長く続くまっすぐな住宅街とか、遠くまで続く畑とか。詩がわかりやすくわかりにくくという絶妙な感じだからなのか、もっとちゃんと読みたい聴きたいって思うし、いろんな想像ができて、そのところに自分の気持ちが乗っかって、絶対に同じじゃない確証がある共感みたいなのを感じる。私はハネダさんのうたを聴いてると、「ひとは誰と何をして生活しても結局のところひとり」っていう考えに自信がもてるようになる。

何もかもどうでもよくなった瞬間の、周りの音が何も入らないような頭の中に流れる無音をうたうのがとてもきれいだと思います。一度ハネダさんのうたを浴びにきてほしい。

ハネダさんのうたの風景には電線があるなっていう謎の確信。ライブを見て理解してください。

(2018年春、近所の森にて)

(2010年ぐらい、たぶん谷保駅近く)



水野谷みき(20:45〜)


おなじみギタリスト山崎星慈と一緒に企画を盛り上げます。最近のお気に入りの写真と、高校時代に撮ったお気に入りの写真を一枚だけあげます。高校時代の写真、とても健全で汚れがなく澄み渡るぐらいきれいで、写真を選んでる間すごく絶望しました。いつのまにか、こんなにきたねえ人間になっちまってた。
まあ汚いものを知ってたほうが、きれいなものが増えるからいっか。


(2008年、埼玉にて)

(2018年、近所にて)

コンクリートの割れ目から咲くひなげしが好きなんだけど、こんな感じで、蕾は下を向いてるのに、花びらが散るとまっすぐ上を向くの。私に似てて馬鹿なところがより好きになったよ。


11月25日、カールモールでお会いしましょう!

水野谷みきのホームページ

うたを歌ったりドラムを叩く水野谷みきのホームページです。

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