バイトバイトバイト
いまある程度お世話になった人たちにお礼を伝えてひと段落したところ。
私事なので途中で飽きたら閉じていいからね。記録として。
本日が最後の出勤で、約3年働いたアパレルのアルバイトを退職してきました。
3年間約週4.5で川崎にいました。バイトするまで行ったことなかったし、バイトがなくなったらたぶん行くことのない街。近くないし。
はじめた頃は大学生、そこから卒業して音楽活動を掛け持ちするフリーターになって今までお世話になりました。
今日はいつもみたいに出勤して、いつもみたいに働いて、閑散期だからお客さんも全然来なくて、働きはじめた頃からずっといる先輩が早上がりになって「じゃあね、全部頑張るんだよ」って帰り際に言われて初めて自分が最後なのかって泣きそうになった。お母さんみたいにお世話になった人だから。
いらっしゃいませどうぞご覧ください〜しか言えなかった人見知りの私が、知らない人に話しかけられるようになって、ライブで出会ったお客さんにもそれがうまくできるようになって、おしゃべりにとっても自信がなかったけどそれが少しずつ改善していってるような気がしてすごく嬉しかった。
洗濯機が家になくて適当にコインランドリーを使ってた私が、綿だの麻だのウールだの知識をつけるようになって、洗濯ネットを使ったり、ウールを手洗いしてみたり、今じゃ家事の中で洗濯が一番好きになってる。
シフトの融通を利かせてもらってた。年で一番忙しい日も演劇の本番と被って出られませんってこともあったけど、みんな頑張ってねとか、ライブ行きたいって言ってくれるの嬉しかった。
新年会とか歓送迎会になるとそれはもう女子会で、恋愛の話とかおしゃれの話とか近所のお店の噂話とか、終電までずっと笑ってたの楽しかったな。
常連さんの中でも私に会いにきてくれるお客さんも何人かできて、手芸の話をしたり、海外旅行の話を聞かせてくれたり、携帯電話の使い方を教えてあげたりしたのも楽しかったな。川崎の人、穏やかで気さくで優しい。
あとはお店だけじゃなくて本社の人とも顔見知りになれたり、本社にわたし宛にお客さんからお褒めの言葉をいただいて、いろんな方が一緒に喜んでくれたのも、やりがいがある感じがしてすごく嬉しかったな。
やりたいことがとにかくたくさんあって、一生じゃ足りないんじゃないかと思うぐらいまだまだやってみたいことがあって、だから、服を一生懸命売るのも素敵なことだけど、他のこともやりたいってなって、長い時間をかけて時期を見定めて今にしようって決断しました。
音楽とかを本気でやりたい人にとってまず選択肢には入らないと思うぐらい、お金を稼ぐ時間が短いし気をとられてしまうアパレル業だけど、本来だったら関わらないような全く違う世界に生きる人と接することは、音楽を作ったり演劇をやったり文章を書くときに新しい視点で物事を見ることができると思う。
会社の中で生きるということ。結婚という不思議な世界。学歴とコミュニティの関係性。明るい人と暗い人の違い。女と男と若者と年長者。音楽という文化の浸透性。シンガーソングライターという界隈の狭さや知名度の低さ。世間での私のポジション。すべて私のうたに直結することだと思うし、ここで仕事をして、こういったテーマを切り取ったうたを歌いたいとずっと思っている。
あと身につけるものに携わる仕事をしてみて、見た目の第一印象はすごく重要だって思った(みーやんおしゃれじゃねーじゃんとか言わないでくれ店ではおしゃれだったんだよ!)。おしゃれをしろとは言わないけど、やりたい表現と見た目は直結すると思う。
松下マサナオさんがずっと前に「音楽とファッションは紙一重だかんねー!」って言ってたんだけど、バイトをしてみて少しずつ言葉の意味がわかった。松下マサナオ先輩、ほんとにかっけえ。あとドラムマガジンの表紙、ばかかっけえ。横に使っちゃうところが最高にクールでイカしてる。ほんとかっこいい。
話逸れちゃった。
いま新しいバイトをしてるんだけど、そこでもまた新しい世界を見られたらいいなって思ってる。いまは仕事を覚えるので精一杯で毎日が戦争みたいだけど、いまみたいな日々ももう少ししたら冷静に言葉にできるのかもしれないなって思ってる。
早く音楽とか何かで爆売れしたい毎日曲のことを考えるので精一杯みたいな日々を過ごしたい、って思ってるけど、バイトをしてる日がなくなったら、もううたなんか書けなくなっちゃうんじゃないかって思ったりもする。生活がないと私の音楽は作れない。バイトをしたり、満員電車に乗ったり、ガスと電気が止まったり、終電を逃したり、理不尽な思いをしたり、牛丼にたまに温泉卵をつけたり、10日を500円で過ごしたりしないと、いい曲は書けないんじゃないかって、ちょっと思ってる。
もう少しだけ、売れたいけどギリギリの生活も送りたい、みたいな矛盾と戦って生きたい。この戦い、思ってるよりもずっとつらいのだ。
ずっと一緒に働いてきた人が店長へ。昇格のお祝いと私の退職の送別会をやってくれました。本当にありがとうございました。
おしまい!
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